
京都大学の吉田寮は、吉田キャンパス南構内になる日本最古の学生寄宿舎。正式名称は「京都大学学生寄宿舎吉田寮」であり、京都の吉田寮といえば、ここを指す。
現在、寮生の追い出し問題について、ある程度のネット知名度を誇り、一応訴訟が行われるほどの大学に揉めており、現棟と食堂で明け渡し裁判をしている。
当時の木造洋風建築の技法が見られ、木造学校で培った技法を応用して設計されていることが分かる。今回は僕は許可貰っていないので撮影を断念。
中に入ることが出来ないが、データとして公表されている部分もあり、建築物として価値は極めて高いものである。ただ寮生が住む寄宿舎であり、プライベート部分がある。
撮影は外観のみに留めておくことにする。なお、撮影や見学をしたいという方は申し込みなど受付がきちんと設けられているので、是非ネットで吉田寮と調べてほしい。
どこみて誰もいない状態だったので、中の撮影許可が貰えない。今度申し込んで撮影する。
誰もいないせいか怖さを感じる。他の寮からは笑い声が、下手すると子どもの声まで聞こえ、国際交流中のところもあったんだけど、ここから一切音がしない。
キャンパスの南側に位置しており、吉田キャンパスの中心部へ向かうこともできる。トイレはあっちだよって看板もあった。優しいなおい。
立て看板(タテカン)
京都大学といえば立て看板のイメージが大きいし、毎年文化祭などではたくさんの立て看板が出される。
立て看板に関しては景観を損ねるということで撤去されることもあるが、イタチごっこ状態であったり、立て看板の裏に立て看板が仕込まれていたりと、もはや、京都大学の景観だと思うのである程度は黙認して欲しい(実際撤去されていないので、大学側は黙認出来る範囲はしている模様)。
吉田寮の基本データ
現棟、木造2階建て、築100年以上(1913~)で木造RC混構造、地上3階、地下1階となっている。
寮費がなんと、月2500円、光熱費など含むという価格なので、どれほど安い寮費なのかが分かる。設備に関しても炊事場、便所、シャワー、洗濯場、畑、Wi-Fi、中庭が共同で存在する。
全員家族と思えば、貧乏学生にとっちゃあ天国である。なお新棟のみ募集中。
僕の感想
建物の価値とか寄宿の安さはあるものの、ただ老朽化の問題もあるので明け渡しという形ではなく、存続させつつも耐震問題のクリアを目指していくことは出来ないものかと思う。
大学側も話し合いの場に参加しないという姿勢を示したことがあたり、吉田寮の価値について分析(会議や議論も含めて)することもしなかったことを考えると、大学側の運営方針に疑問が出てくる。
これから吉田寮以外も老朽化することが出てきて、未来の吉田寮が出てくる可能性もある。なんでも取り壊せばいいという問題ではなく、どのような形で建物を残していくか議論して欲しいところである。
なお僕の知り合いにも現在、京都大学生がおり学生運動にも参加している。心配ではある。