
僕がうつ病になってから出かける機会が多くなった。社会人になってから週休二日制の仕事ばかりで、大半を働いてきたことになる。撮影する時間ももちろん短いわけで休日だって何か作業したり、休んだり、掃除したりと色々なことに追われる生活だった。
休める日なんてない。趣味に没頭するなんてなかった。
言ってしまえば、窓の外に目を向けて考えこむなんてしてこなかった。そうやっと本当の休み。心を休ませることが出来るんだと思っていたけど、そもそもうつ病で休ませてもらっているに過ぎなくて、現実はそのまま襲ってくる。
日本において休めるのは退職後なんだろうけど、今度は退職後の人生のため考えて生きなきゃいけない。40年前の就活ではなく近づいてくる終活に向けての準備だ。
人生とは忙しいもので、僕は初めて何も考えず、寝てるだけの人生を送っている。何かしなきゃいけない。何か頑張らなきゃいけないとか全てを考えずにいる。もうどうにでもなれと良く言えば開き直り、悪く言えば自暴自棄になりつつあるんだけど。
外に出て太陽を浴びるというのは医者からも家族から友人たちからも言われているので、極力出かけるようにしている。運動不足のため太りつつあるし、撮影がてら出かけるのもいいかなと思い、近場をふらっと歩いてみたりしている。
大阪府内の北側のほとんどを歩いたようにも気がするけど、よく理解できないことが増えた。薬のせいか、うつ病ののせいかは分からないけど、思考できないことが増えた。
時間があっても脳みそが動かないと意味がない。フル回転しないフルスロットルで考えているのに答えが出せない。頭が痛くなることもある。それでも撮影したいと考えている。やはり写真が好きなのだと思う。
どんな状況でも好きなことをしたいと思う。心と身体がついていかないだけ。
写真を撮るというのは僕の中で、生きることに等しい。もしも写真を撮る以外に何があるかといえば何もない。写真のために今まで働いてきたし、それ以外の趣味には無い楽しさが写真にはある。パソコンも趣味だったり、乗り物が好きだったりしたのに、手元に残ったのが写真とカメラだった。
頭が良いわけでもない。学があるわけでもない。だからこそ働いてきたわけだけど、結果的に得たのは無だったってことなんだけど。それでも写真を撮るのはやめていない。やっぱり楽しい。
うつ病になる前と視点は変わっていて、何も考えずに撮るようになった。誰かに何か思われそうで近づくのを止めていたけど、撮影の距離感が変わった。何も考えていない距離なので近づいて撮れる。開き直って生きていけるというのはある。これは薬のおかげかもしれない。
今度は人を堂々と撮れるようになりたい。そう思うようになった。
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